ユニセフ指定寄付

ブータン王国への支援活動について

公益財団法人 日本ユニセフ協会 団体・組織事業部 中野 寛子(なかの ひろこ)

 

皆さまには日ごろよりダーナ募金を通じたユニセフの活動にご理解とご協力をいただき、誠にありがとうございます。皆さまからお預かりした浄財は、1987年のご支援開始からこれまでに2億3650万円以上にもなります。1992年からブータンの教育拡大プログラムに、また、2013年からはブータンの早期幼児開発教育(ECCD)にご支援をいただいており、より多くの子どもたちが教育の機会に恵まれるための活動に継続してご支援いただいております。

 

ECCDは、『世界子供白書2001』で「出生時から8歳になるまでの子どもとその親や保護者のための政策とプログラムに関する包括的なアプローチ」と定義されています。ECCDは読み書き計算だけでなく、遊びを通じて子どもたちの興味を刺激し、知覚、情緒、社会性の発達に配慮した教育です。子どもたちの脳や認知能力は、誕生から小学校に上がる前までに飛躍的に発達します。その時期を逃さず、好奇心を満たす刺激や知識、対応力を授けてあげると、子どもたちは、その後の人生においても身につけた力を応用し、大きく伸びていくことができます。また、小学校に上がる前に幼児教育を受けていると、小学校に上がってからも学習が順調に進むことが、多くの研究で分かっています。

 

皆さまの長年の支援のお陰で初等教育純就学率は1998年の53%から2013年には92%まで増加しました。また、男女別の純就学率は男子が90%、女子が93%まで増え、男女の差別なく教育が受けられるようになったことで女性の地位向上の実現にも寄与しています。しかし、目ざましい成長を遂げる一方で、初等教育前の早期幼児開発(ECCD)教育を受ける子どもの割合はわずか10%程度にとどまっています。皆さまからお預かりした浄財は、「早期幼児開発教育、およびブータン国内の開発」プロジェクトとして大切に活用させていただきます。皆さまからのご支援で、2018年までにECCDセンター4校の設立、および25人のECCDファシリテーターの研修が可能になる見込みです。皆さまの浄財に心より感謝申し上げると同時に、引き続き、ブータンの子どもたちが教育の機会に恵まれるための指定事業にお力添えいただきます様、どうぞよろしくお願い申しあげます。